段級が進むに随って、臨書しなさいから参考にして書きなさい、そして創作しなさいと移ってきます。
似せるから操作する、そして創作と考え方も進化していきます。
古典なり手本という物は、考えて作り上げられた物です。
ただただ似せているだけではその良さも理解できません。
また、世の中にそれほど名品ばかりが転がっているなんぞということは無いのです。
神経をすり減らしそっくりに再現してやろうなどというお相手には、滅多なことで出会える物でもありません。
かといって古典のように何千年もの間尊重されてきたものが相手の場合、その良さを見抜けない自分の目の方が間抜けだともいえます。
玉石混淆の中で、課題という問題に出会いその答えを導き出す作業をしましょうということです。
臨書の場合、臨書とは形を似せることだという定義に立てば、細部に至るまで似せていき、遅速緩急大小伸縮と筆致を自家薬籠中にすることも良いでしょうが、どのような表現がなされ、どのような工夫がどんな効果を上げているのかを考え、再構築していくと考えると、後々の創作に役立っていいます。
書を楽しむ方法は千差万別十人十色です。
墨を磨るだけで満足する方もいれば、一日中写経に浸りきる方もいます。
近頃、私は、問題を自分で創り、新しい回答を創り出していくことだと考えるようになりました。
素材を観察し、アイデアが自然に溢れてくるような切り口を探し、一幅にまとめる。無理のない考え方を習得することで、ごく自然に素材がなりたがっている形になっていくように思えます。
料理する際に、調理の技術だけでも料理は出来るでしょうが、誰と?どんな雰囲気で?そんなシチュエーションの時?などと想いが広がれば、創られる料理も自ずと姿を変えてくると思います。先ず何を伝えたいのかから始めてみませんか?
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